新曲 「愛を蹴ってしまった」件
最近は映画「千と千尋の神隠し」のマニアによる深掘り解説を聞きながら寝落ちしています。やはりあの映画、深い。冒頭はほとんどホラー映画ですよね。小学一年生の頃に映画館で見たはじめての映画だった気がします。家族は二回目を見に行こうと連れ出そうとしていましたが僕は怖くて家でお留守場していたのを覚えています。
さて…
やっと新曲が完成しました。大変お待たせしました。「愛を蹴ってしまった」という曲です。
…え?誰も待ってないって?…そんなことは分かってるよ!
せめて僕は声を大にして叫びたいのだ!やっと完成したよと。
(作業がすべて終わり、ベランダで両手を広げて伸び、叫んだ)
まぁそんな大げさなものではないのだけれど…
ぜひ聴いてくださると嬉しい…。
愛【あい】
しかし愛とは何なのか?これほど歌にされるテーマもないだろう。目に見えないものは僕には分からない。よく分からないのに都合よく歌詞にしている。ましてやその得体のしれないものを蹴り飛ばしているのです。なんでそもそも愛が道端に落っこちているのでしょうか?僕にはそれを拾って育てる勇気がなかった。今回はそんな曲となってます。
若さゆえに…今の僕が提示できる愛の表現は所詮チープなものです。地面に落っこちてるくらいですから。誰かを愛することがまだわからぬゆえに愛という高尚なものをお粗末に扱ってしまったのです。他人をいつくしむこと、それをまだ経験していないのなら、結局今の自分の生きざまを曲にぶつけるしかないと思いました。そうです、エゴイストです。ナルシストです。
もちろん愛を全く知らないとは思いません。僕が24年間無事に生きてこれたのは決して愛とは無縁ではなかったからです。多かれ少なかれ、それらを受け取ってきた幸せ者の部類に入るはずなのです。だからそんな僕が暗い曲を歌うのはおかしいといつも思います。さも満たされていないかのように繕ってる、まるでわがままではありませんか! できれば自分は幸せ者と言いたいしちゃんと認めたいのですが…どうしたものか…なぜか歌詞が暗くなる。歌の中では素直でいたいと思っているんですけどね…。きっともっと愛されたくて音楽をやっているのでしょうね。売れて認められたいというのは、多少愛されたいということですから。
愛を蹴ってしまった。Aメロのテーマとなるこのフレーズが一番最初に浮かんできました。
あれは19歳の頃です。ある日表参道を歩いていました。すると、つま先が何かに当たってしまったことに気が付きました。なにかキーホルダーみたいなものを蹴ってしまったようです。見ると赤くゴシック体で「LOVE」と文字だけがデザインされたシンプルなキーホルダーでした。その瞬間に僕はこのフレーズが浮かんできました。そうなのです。そのまんまの状況です。
ポールマッカートニーが寝起きにスクランブルエッグ♪(イエスタデイのフレーズ)が思い浮かんだみたいに、僕にも降りてきたんじゃないかこれ!天才なんじゃないかこれ!!と当時とんだ勘違いしていた僕の、自信満々で髪をかきあげて拓けたその額のど真ん中に、今ではデコピンを喰らわせたいです。
そのあとの勢いですぐにデモの音源づくりに取り掛かりまして、ほかのメロディーも構成も形になったのですが、如何せん歌詞が浮かばない。愛を蹴ってしまった。というフレーズから抽象的すぎず、物語として軸のある歌詞を作るまでには至らず、結局デモのまま今までほったらかしにしてきました。そんな曲はまだ山のようにありますが、なぜかこの曲だけは定期的に頭から湧き出てくるのです。「愛を蹴ってしまった」と。
大人になった今の僕なら作れる気がして、今回やってみました。なにせ冬の曲は今しか出せませんからね。暖かくなってしまえばまた1年後です。19歳の僕よりも少しはまともな歌詞に仕上がったと思ってます。相変わらず何を言ってるのか分からないでしょうけども。
こんなに曲の説明をしたのは初めてです。あなたにとっても、作り終わった僕にさえもこの話はもうどうでもいいことです。しかしやっぱり愛というものはお互いにとってどうでもよくはありませんよね。手放せないし手放しちゃいけないものです。この世で一番幸せな事ですから。あ、今分かりました。愛はこの世界で一番幸せな感情ではないでしょうか?……え?ちょっと浅い?
ロックスターが戦争もなくなると言うくらいですからね…いつかは愛がその辺の自動販売機で売られていればいいですね。「あったか~い」やつを。金で買ってやる。…ってまたチープな発想。そんな考えだから愛を蹴って後悔してる救いようのないクズなのでしょう。
クズといえば最近イケメン俳優さんが不倫で炎上しておりましたね。僕は彼のことをよく知らないし、事後もネットニュースの顔写真を見るたびに記事そっちのけで男前だなぁって思ってるだけなので、彼がどうとかなんとも言えませんが…当事者の彼にこそふさわしい。
蹴ってしまいましたね。…え?なにをって?
「わからんか。愛だ、愛。」(かまじい風に)